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ラミのプロ直伝!気泡防止ラミネート術「コツと原因」

2021.11.02
コラム・知識
プロ直伝!ラミネート気泡防止術コツと原因のアイキャッチ

ラミネートして「気泡が入ってしまった」という失敗をしていませんか?

ラミネートにできた気泡の例

こんにちわ。ラミネート商社歴47年の㈱稲進(いなしん)です。

今回は
ラミネートに気泡が入らないコツをご説明します。

-記事の内容-
・ すでに気泡が入った場合の直し方
・【予防法・コツ】気泡が入らないラミネートのかけ方
・【原因】空気が入るのはなぜ?

※加熱式ラミネーター専用機でラミネートをかける場合についてです。手貼りラミネートは該当しません。
※全体的に白っぽくムラになる現象(温度不足)は別件です。

すでにラミネートに気泡が入ってしまったら?

すでに気泡が入ってしまったユーザーさんへ。
結論からお伝えしますと

気泡が入った後では直せません。(泣)

  • 針で穴をあけて空気を抜く?→抜けません。
  • ヘラで空気を押し出す?→押し出せません。
  • ドライヤーで温めてほぐす?→ほぐせません。

一度、熱でくっつけたフィルムは、はがせない・動かせないのです。

空気が入ってしまった分はあきらめ、やり直すしかありません。

ショックです…。

お気を落とさず…。
2度めを失敗しないよう、予防策とコツをお伝えします。

【予防3原則】気泡防止のコツ

未然に防ぐ方法は3つあります。

1.フィルムの余ったスペースに捨て紙をはさむ
2.温度・速度を適切に
3.向きを正しくラミネーターに挿入する

気泡予防策1. フィルムの余り分に捨て紙をはさむ

フィルムの余分なスペースに捨て紙(コピー用紙など)をはさんで、埋めましょう。

目的は「全体の温度を少し下げるため」です。

捨て紙をはさんでラミネートフィルムの過熱を防ごう

気泡が生じる要因の1つとして、余分なフィルムが広いと過熱状態でフィルムが膨れあがり、気泡ができやすくなることがあります。

かといって、紙に合わせてフィルムを先にカットするのはダメですよ。

※やってはいけない※
加工前のフィルムは絶対にカットしないでください!

ラミネーターに通す際にズレてローラーに巻き込み、故障します。

キレイにラミネートできてから、不要部分をカットしましょう。

きれいにラミネートできてからカットする
↑ラミネータにかけた後でカットする。

気泡予防策2. ラミネーターを適切な温度設定にする

機械の温度設定(モード選択)は合っていますか?

  • 中紙の薄さ/厚さ
  • フィルムの薄さ/厚さ機械のスイッチ(モード選択)

これらが適切に選択されていないと、気泡になる原因になります。

ためしに…

低温で高速寄りに調節してみてください

(お使いの機種が家庭向け簡易型であれば「薄物/厚物」、「Low/High」といった簡単スイッチになっています。でしたら薄物(Low)モードから試してみてください。

箱や説明書をいま一度お読みになり、原稿とフィルム厚の適合を確認してみてくださいね。

気泡予防策3. 向きを正しく挿入

予防のため、大事なチェックポイントがあります。

もしかして:向きを間違えていませんか?

正しい向きのポイントは「閉じている辺」

ラミネートフィルムの閉じている辺

この「閉じている方から先に」機械に挿入するのが鉄則です。

ラミネートの鉄則!フィルムを機械に通す向きを守って

やってはいけない逆差し!【ラミネート基礎知識】

挿入向きの間違いはあらゆる失敗の元凶!

  • 波打ち
  • 詰まり&巻き込み
  • ラミネーターの故障
ラミネート作業で、こんなアクシデントはありませんか?【ラミネーター困りごとあるある】「詰まってラミネーターからフィルムが出てこない」「ラミネーターに入っていかない、途中で止まる」えっ?なんで出てこ...
今回は便利な無料ダウンロード・ツール(資料)をご提供します。こんなお悩みありませんか?「ラミネートがうまくいかない」「仕上がりが美しくない」「どうしたらキレイになるのか分からない」そんなラミネート...

では、気泡原因を知りたいユーザーさんはこちらもどうぞ↓
いっそうご理解いただけます。

【気泡の原因】過熱でフィルムが溶けすぎ!

まず、

【根本的な原因】
過熱でフィルムが溶けて膨らむから

温度計のアイコンと熱すぎという文字とラミネートフィルムの断面図

熱が当たりすぎ、過度に溶けたフィルムは膨らむ→空気を含んでしまうんです。
(波打ちやシワ、さらにローラーに巻き込む一因でもあります。)

もう一歩踏み込んで。ではその
「熱がムダに当たりすぎてしまう原因」とは?

過熱の原因2つ
 ①フィルムの余分が広すぎ
 ②ラミネーター側の設定温度が高い
  a.「高」に寄せすぎ
  b. スピードが遅すぎ
  c. 温度センサーが劣化しており、適温を保てていない

一つずつ詳しくみていきましょう。

フィルムの余分が大きすぎる-過熱原因①

フィルムと中紙の大きさが合っていない(余りが多い)と気泡の原因となります。

ラミネートフィルムの余分に気泡が発生した
↑ダメな例:フィルムの余分が広すぎ
ラミネートに気泡の例
↑ダメな例:余分が広すぎ2

フィルムのみの部分は、紙がない分さらに熱が伝わるので高温になります。

逆に言うと、紙をはさむと温度が少し下がります。(全体の温度にも影響します。)

ラミネートする時に紙が挟まっている部分と紙が挟まっていない部分の熱の違い
ラミネートフィルムどうしがくっつくエリアは過熱してしまう。過熱で溶けすぎて膨らみ、気泡ができる。
↑気泡ができる原因

フィルムの余分は3〜5mm程度が理想です。

ラミネーター側の温度が高すぎる-過熱原因②

ラミネーター機側の設定や状況に原因がある場合もあります。

(機械側の理由で高温すぎた場合は、紙の部分でも気泡ができてしまうこともあります。)

ラミネーター側での過熱原因は、下記の3つが考えられます。

a.温度設定が高いから

フィルムの薄さに対して温度が高すぎかもしれません。「低」に下げてみましょう。

※「薄物」「厚物モード」のように簡略化された切り替えスイッチになっている機種もあります。その場合「薄物」モードで確認してください。

b.スピード設定が遅いから

ラミネーターを通過する速度が遅いと、熱がより伝わり、熱くなってしまいます。スピード調整を速め(薄い用)からやってみましょう。

c.温度センサーの不具合

ラミネーターには温度センサーが内蔵されています。劣化や故障で適切に作動していない可能性もあります。
ただ、ほかの原因で気泡発生していることが多いので、これは最後に疑うべきポイントです。

さいごに:気泡防止ラミネート術まとめ

予防策をまとめ・整理します。

気泡予防の3原則
①フィルムの余りスペースを狭め(3〜5mmが最適)に。場合により捨て紙をはさむ。
 ※加工前のフィルムカットは厳禁!
②向きを正しく。閉じた辺を先頭に挿入!
③温度とスピードの設定(モード)を適切に選ぶ

そして、大事なこと…

ラミネートの心得
『一発勝負でラミネートする』のは避ける

予備が用意できる状態で、様子を見ながらやっていくのがオススメです。

こういったものをラミネートするのはやめた方が賢明です。

ラミがけ非推奨リスト

  • 一点モノ
  • レアもの
  • 再生不可能なもの(大切な賞状など)

以上、ラミネート商社の稲進(いなしん)がお送りした
ラミネートに気泡が入らない方法」でした。

では、ユーザーさまのラミ活が楽しいものでありますように。

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※各機種に添付の取扱説明書をご確認下さい。
※当記事はあくまで一般的に考えうる対応を記載したものとなります。お手持ちの機種の仕様、及びご使用状況により対応は異なります。記事内容の実施についてはご自身の責任にてお願いいたします。